塾内で競争させること
なぜいけないか・・・・・・・・・・クラスの仲間や目の前の友人との戦いになってしまう。
⇒共に学び高め合う関係でなく、敵対する関係になりやすい
(自分が上がらなくても相手が下がれば勝ち)。
器の小さい競争で優越感と劣等感を過剰に刺激し、心の健全な成長の妨げとなる。
競争は自分のまわりの数十名とするのでなく、模擬テストなどで、見えない数千名、数万名を相手にする方が、はるかにスケールも大きく、健全です。
合格がゴールという価値観
合格と入学後ではどちらが重要かは言うまでもなく入学後のはず。
ところが、まずは合格することだという目標が全てになってしまい、合格さえすれば幸せが保証されるような錯覚に陥る。そうして追いこまれた子供は、合格すると、解放されたどれいや刑務所から出た囚人のような精神状態になって活力を失い、入学後の学習に意欲を持ちにくい。
難関校に合格さえすれば軌道にのると思う人は、東海高校の進学実績を調べてみて下さい。一流大学への合格者は浪人を含めても卒業生の1/3ほどです。この現実を知らされない人が多すぎます。
一方的に与えられる知識、やらされる勉強
勉強は最終的に自分でするもの、ところが、大量にやらされるものをこなすのに精一杯のため、正しい学習方法、自分で自発的にする予習・復習・定期テスト対策などのやり方が身につかないのです。
過去に入試の後、たて続けに3件、東海中学合格者のお母さんから入会申し込みがありました。3件とも進学塾に通っていましたが「勉強のし方がわかっていないので何とかしてほしい。」というものでした。
親は子供の問題点を痛感しているので必死でしたが、本人たちがすでに活力を失っていて、当分何もしたくないと言うので、入会はしなかったのですが、入会していれば、たて直しに大変苦労するケースです。本当は中学の勉強こそ、学習法を身につければ楽しみも喜びもみつけられるはずなのに残念なことです。中学入学を楽しみにし、入ってからも新しい学習に興味津々、目がきらきらしているような塾生を毎年見ていると、やはり、これこそ本来の姿だと思います。
不安や恐怖であおること
これは全部がそうなのかわかりませんが、SSAに入会されたお母さん方から、たくさん事例を聞いていると、やはり大多数の進学塾が親や子を不安にさせ、進学塾の価値を伝えたり、やらせる勉強をあおっていると思います。
困ったに、進学塾の話をうのみにしたお母さん達が、そのまま、いやもっとオーバーに後輩のお母さん達に話すものですから、たくさんのお母さんが不安の渦に巻きこまれています。一つ一つ聞いてみると、錯覚やデタラメ、まやかしがいっぱいあるのです。
ある年の4月に、東海中学の先生と話す機会がありました。
その先生が言われるには、
「入学してきた子の3分の1は、どうしてここにいるの?というレベルです。この子たちはこの先いったいどうするんだろうと心配になります。」
「なぜそんなことが起きるのでしょう?」
と質問すると、
「進学塾で受験のための勉強だけをして、たまたま受かってしまったのではないでしょうか。でも、この子たちには学習意欲も、自主性も学習能力も、学力も驚くほど欠けています。」
ということでした。
進学塾の実態
合格実績
通りかかった進学塾の窓ガラスに「旭丘に50名合格!」などと書いてあると、まるでその地域の一校舎だけでそんなにたくさん合格したのか、と錯覚してしまいますが、実は30校ぐらいの合計なので、1校あたりは1~2名だけというのが実態です。
また、公立・私立の合格者数は延べ人数ですから、一人の生徒が、高校入試では3~4校、中学入試で3~5校合格数をかせいでいます。
だから、本当に何名の生徒が上位校に進学したのかは、3~4で割るとわかります。
そうしてみると、もともと勉強がよくできる子が、進学塾に行っており、入塾テストしてある程度のレベル以上の子を集めているわりに実績は出せていません。
(SSAは入塾テストもないし、1校あたりの卒業生は10名ちょっとなのに、旭丘・明和・菊里に3~4人合格する年も多くあります。)
指導
進学塾は基本的に一斉授業です。みんなに同じ知識・情報を説明するわけですが、その情報量は、自分で参考書で勉強する量と比べると、非常に少ないのです。だから授業では学習効果が低いので、大量に宿題を出すことになります。やる気も学習方法も、学習能力も生徒まかせということになります。
やる気も能力もあって方法も身についている(ごく一部の)子は、たくさんこなして自分で学習効果を上げますが、それ以外の子は、やる気が出ないことに悩み、能力に限界を感じ、方法はわからないまま、塾でも家でも頑張りが足りないと言われ、自信と誇りをなくし、活力をなくしていきます。
私が、進学塾がいけないと一番思うのはこの点です。
子供を傷つけ、活力を失わせ、勉強本来の楽しさや喜びを奪ってしまうことが多すぎるのです。毎年、こうして苦しんだ生徒や保護者の方に、たくさんつらい事例を聞いてきました。
「教育の本音情報」について父母様から感想をお寄せ頂いています。 ご紹介致します。
指導する教師レベル
進学塾だから進学指導のプロフェッショナルがたくさんいるだろうと、錯覚しますが、実際はそうではありません。
S予備校がTVの宣伝番組で自ら伝えていましたが、20校新設するため新卒社員を70~80名採用し、入社1年目の校長を大量に誕生させました。
S予備校をやめてSSAに入った社員がいますが、学習や指導の理論・方法・科学について一つも研修はないそうです。
また、N塾の塾長に理念・教育観・指導研修の有無を聞いた返事は「そんなものなにもありませんよ。いい生徒が集まればいいんです。」ということでした。
まとめ
進学塾の実態を知っている私としては、もっと言いたいことはありますが、このくらいにしましょう。たくさんの進学塾経営者と話しましたが、ほとんどの人がビジネスとして教育を利用していて、子どもの心や頭、将来について関心が薄いことに失望します。
抜群に勉強できる子は、進学塾に行かなくても難関校に合格するのです。進学塾はそういう子にとって優越感を味わう楽しい場であっても、そうでない子にとっては、劣等感・挫折感・不能感を味わいすぎる恐れがあります。
また、能力を上げ、優れた学習法を身につける指導は、進学塾ではやっていないので、進学してからの力にはなりません。SSAの卒業生たちは、高校以上ですばらしい活躍をしています。何人かの卒業生から聞いた言葉が「みんな勉強のし方を本当に知らない」というものでした。
SSAは4月頃にはすぐ定員になるような小さな塾ですから、進学塾に行く子に大量に来られても困ってしまいますが、進学塾は優秀な子がいっぱいいるから、自分も入れば優秀になれると錯覚している子供たちが、自分の持っている良い素質を引き出せないまま、苦い学習生活を送ることを思うとやるせない気持ちになります。